行動できるかどうかは「意志の強さ」の問題ではなく、
自動で行動を起動する回路と環境を作れるかどうか
の問題です。
しかし、多くの人が次のステップでつまずきます。
「環境は整えたのに、なぜか続かない」
問題は、行動を“続ける設計”ではなく、“達成する設計”になっていることです。
その原因は
大きすぎる成功体験を追い求めている
ことにあります。
大きな目標は人を止める
目標を立てること、目標を明確にすることは、
成長したり、成功したり
するために重要なことだと教えられます。
しかし、その目標が行動を止める装置になってしまうのです。
それでは、どのようなときに目標がストッパー、障害物になってしまうのか?
それは「目標が大きすぎるとき」に頻発します。
目標が大きすぎると
- ゴールに到達するまでの時間がかかる
- 短い期間では達成感を得ることができない
- できていないことのほうが目立つ
という状況になりがちです。
そうなると「継続すること」が難しくなってしまいます。
大きすぎる目標が、かえって邪魔になってしまうのです。
では、どうすればいいのか?
大きな目標を細分化し、
短い期間で達成感を得られる
小さい目標を設定する
のです。
小さな成功が回路を作る
行動科学者のアルバート・バンデューラは、
人が行動を続けられるかどうかを決める要因として
自己効力感(Self-Efficacy)
を挙げています。
自己効力感とは、
「自分はできる」という感覚
です。
この自己効力感を高めるのに必要なのは
成功の大きさではありません。
成功の回数によって強化される
ということがポイントです。
つまり、
自己効力感は「成功の大きさ」ではなく「成功の回数」で強化されます。
小さな成功でいいとなれば
- 5分は運動する
- 単語をひとつ覚える
でも十分なのです。
これらのミニマムな行動を
繰り返し達成する。
このことが「自分はできる」という感覚を強化します。
ここまで書いても、
- 5分だけやれても成果は上がらない
- 単語を一つ覚えても意味はない
と感じる人が少なくないでしょう。
しかし、行動科学の研究では
小さな成功を頻繁に経験する人ほど
行動を長期で継続しやすい
ことが示されています。
成功する人、成長する人は
長期的に継続できる人です。
小さな成功は「できる感覚」を強化し、次の行動を引き出します。
ミニマム行動の定義
ミニマム行動とは、「やらない理由を消す設計」です。
小さな成功を生み出すには小さな目標となるミニマム行動が重要になります。
ここで、誤解が生じないようにミニマム行動を定義します。
それは
「やる気ゼロの日でも、確実にできる最小単位の行動」
です。
ミニマム行動は3つのポイントを兼ね備える必要があります。
1. 行動の成果ではなく「着手」をゴールに設定
2. 失敗しようがないレベルまで行動を小さくする
3. やるかどうかを判断する必要がないようにする
1. 行動の成果ではなく「着手」をゴールに設定
やることの量ではなく、着手できたかどうかをゴールに設定します。
- 本を読む → 本を開く
- 勉強する → 椅子に座る
- 運動する → ウェアを着る
行動のゴールが
スタート時点の行動ができたかどうか
となっています。
2. 失敗しようがないレベルまで行動を小さくする
習慣化することに慣れていない人の場合
「できなかった日」ができてしまうと
すぐに継続できなくなってしまいます。
ミニマム行動は
失敗できないレベルまで小さくする
ことが重要です。
- 一文だけ音読する
- 単語を一つだけ覚える
- 3分だけ外を歩く
簡単すぎないか?と思うレベルまで落としてしまうことです。
そうすることで、習慣化の大きな壁である
最初のつまずき
を超えることができるようになります。
3. やるかどうかを判断する必要がないようにする
- 決まった時間
- 決まった場所
- 決まった順番
こういったものを設定し、自動的に行動が始まるようにします。
このように設定したミニマム行動を、
習慣ループに入れ込むことができれば、
習慣化が簡単なものとなっていきます。
ミニマム成功ループ
Cue (キッカケ) → Routine (行動) → Reward (報酬)という習慣ループを紹介しました。
これのRoutineのところに
ミニマム行動
を入れていきます。
① Cue(必ず起きるキッカケ)
② ミニマム行動(失敗しようがない小さい行動)
③ Reward(即時報酬による達成の可視化)
報酬は簡単なものでかまいません。
- チェックマークをつける
- カレンダーに印をつける
- 行動ログを見る
このような単純なもので十分です。
脳は大きな成功ばかりを求めていないからです。
「行動 → 完了 → 確認」
という流れを、強い報酬として脳は認識するのです。
習慣化において重要なのは
- 成果が出たか
- 周囲に評価されたか
ではありません。
自分自身が
「今日も途切れずにやれた」
という達成感の連続が最も重要なことです。
この達成感の連続が自己効力感を高めます。
そして自己効力感が高まると、
「もっと多くのことをやりたい」
と意欲的になっていきます。
それでも重要なことは、
「少しだけ進展させる」ことです。
いきなり
多く時間を増やしたり
多くの量をやるようにしたり
ということは挫折の原因となります。
負担を感じない範囲で、段階的に増やすことが重要です。
このループは「1回」で意味はありません。
繰り返すことで、回路になります。
大きな目標は「未来の報酬」、
ミニマム行動は「今の報酬」です。
まとめ
- 習慣に必要なのは大きな成功ではなく「小さな成功」
- 大きな成功を求めることは「挫折の原因」になりやすい
- 「できる」という自己効力感は成功回数で育つ
- 習慣とは「強い行動」ではなく、「弱い行動の反復」
- ミニマム行動は簡単な失敗不可能レベルにまで落とす
- 成功ループは即時に達成を確認できるようにすることがポイント
