「自信がない」と感じていると、
解決策として真っ先に思いつくのが、
「自己肯定感を高める」ということではないでしょうか?
- アファメーションをする
- 自己暗示の文章を毎日書く
- 鏡に写っている自分を励ます
こういった行為は悪いことではありません。
しかし、それによって「自己肯定感が高まった」「自信が強くなった」という人は、多くありません。
実際には、逆に自信が不安定になってしまうことが多くあります。
なぜでしょうか?
脳は「何を言ったか」ではなく、「何をやったかの履歴」で判断するからです。
自己肯定感は自信ではない
自己肯定感とは、
「自分には価値がある」と感じられる感覚
のことです。
この感覚は重要なものです。
自分のことを責めたり、嫌悪することはメンタルを確実にすり減らします。
そのため自分を責める状態から脱するために、
自己肯定感を高めよう
とする取り組みがあるわけです。
しかし、ここには大きな誤解があります。
「自己肯定感が高ければ自信がつく」というものです。
心理学の研究では「自己肯定感」と「自信」は明確に区別されています。
自己肯定感が高くても、
- 行動に移せない
- 失敗に極端に弱い
- 評価に一喜一憂する
という状態になることは、珍しいことではありません。
自分に価値があると感じていても、自信を持てずに
挫折してしまうことが多いのです。
言葉だけでは不安は消えない
自分を認めることを繰り返しても
確固とした自信になりません。
それは、
自分を認める言葉とはうらはらに
現実の行動や状況が何も変わっていないから
です。
脳は非常に現実的です。
数え切れないほど繰り返した言葉よりも
実際に起きた出来事の履歴をもとに判断します。
- やることができたか
- 続けることができたか
- 失敗しても再びやることができたか
- 困難を乗り越えることができたか
このような現実での成果がない状態で、
どれだけ肯定的な言葉を自分に投げかけても
無意識は納得してくれません。
自信は言葉ではなく、現実の積み重ねから生まれます。
自信の正体は「できた回数」
自信がある人は、言葉も前向きで行動も積極的です。
しかし、内面に不安を感じないわけではありません。
ただ、それを乗り越えて進むことができるのです。
その支えになっているのが
「できた経験の多さ」
です。
何万回の言葉より、1回の「できた」が自信を作ります。
- 小さな約束を守った
- 小さな決めた行動を続けた
- 一度失敗しても再び始めることができた
このような地味な積み重ねが、自信になっていくのです。
自己肯定感がどれだけ高くても、
自分自身でのできた体験がないと、自信にはならないのです。
自己効力感が行動を決める
自己肯定感と自己効力感の何が違うのでしょうか?
ここで混乱を避けるために、心理学の観点から整理しておきましょう。
自己肯定感
- 自分をどう評価しているか?
- 「自分は価値のある存在だ」という感覚
自己効力感
- 自分の行動に対する信頼感
- 「自分はこの行動をできる」という感覚
心理学者アルバート・バンデューラは、
人が行動を始め、継続できるかどうかは、
自己効力感に大きく左右されることを示しました。
研究によれば、
自己効力感が高い人は
- 困難な課題にも取り組み
- 失敗後の回復が早い
ことがわかっています。
重要なのは、
自己効力感は「他からの評価」ではなく「自分の成功した経験」から生まれる
ということです。
しかも、成功の大きさはあまり問題ではありません。
小さな成功で十分なのです。
大きな成功は自信につながるように見えるかもしれません。
しかし、実際には
一度の大きな成功は再現性が低く、安定した自信にはなりにくい
のです。
ところが、
「今日もできた」という反復可能な成功体験こそが、
自己効力感を強化するのです。
そして、この自己効力感は「自分はできる」という感覚です。
自分はできるという感覚こそ自信そのものです。
自信をつけるには
「小さい成功をし、それを確認することを繰り返す」
ことが最も重要です。
まとめ
- 自己肯定感を高めても行動は安定しない
- 自己肯定感を高めても必ずしも自信は強まらない
- 自己肯定感は「存在の評価」、自己効力感は「行動の証拠」
- 自信の正体は「行動したことの積み重ね」
- 自己効力感は成功した体験、行動した体験から育つ
- 自己効力感は小さな成功を繰り返し体験することで強化できる
- 自信とは、「できた」という記録の総量
- 自信は“感じるもの”ではなく、“記録されるもの”
自信は自己暗示、アファメーションでつくられるものではありません。
正しい行動を、正しい順番で積み上げた結果として、
静かに生まれるもの
です。
次回はこの自信を壊すもの「他人との比較」を取り上げていきます。
