積み上げた自信を壊す最大の要因の一つが、
他人との比較
です。
- 努力しているのに報われている感じがしない。
- 成果が出ているのに、なぜか満たされない。
- 上手く行っているはずなのに不安が残ってしまう。
このような状態になってしまうのは、
他人と自分を比較してしまっている
ことが原因である場合が多くあります。
では、なぜ比較は自信を削ってしまうのでしょうか。
比較によって問題になるのは、
「結果」ではなく「解釈」です。
他人の結果を見て、
自分の価値と結びつけてしまうと、
自信が削られます。
社会的比較によって起こる自信の喪失
人間は、自分が集団の中でどの位置にいるかを知ることで生存してきています。
それを助けてきたのが脳の「社会的比較」という機能です。
この機能により、無意識に自分と他者を比較しています。
社会心理学では、比較には大きく2種類あると言われています。
それが上方比較と下方比較です。
- 上方比較:自分より優れている人を見ることで発生する比較
- 下方比較:自分より劣っている人を見て安心する比較
上方比較は「あの人のようになりたい」というモチベーションを高める役割を果たしてくれます。
しかし、現代社会においては「自信の喪失につながりやすい」ものとなっています。
競争と評価が溢れている社会において、
自分より優れているものを見ることは
自分の欠落に気づかされることが多くなる
ためです。
そして気づいたあとに、「できていない」「やれていない」ことに意識が集中すると、
自信は自然と失われていきます。
相手の最高点と自分の平均点による不公平な比較
現代人が自信を失ってしまう最大の理由は、
自分との比較の対象となっているのが
他者の編集された断片
であることです。
この代表例がSNSです。
SNSは、
- 人の成功部分だけが切り取られる
- 努力や失敗は見えない
- 上位1%の情報が無限に流れてくる
という特性があります。
これらの情報を見ていると脳は錯覚してしまいます。
- みんなうまくいっている
- みんな華やかに暮らしている
- みんな楽しそうに暮らしている
しかし、実際の生活はそうではありません。
普通にごみ捨てをしたり、後片付けをしたり、掃除をするなど、
日常的なことを日々の生活でおくっています。
自分の生活を変わらないこともたくさんやっているのです。
しかし、それはSNSにはほとんど現れません。
ある面、他人のハイライト(最高点)ばかりを見る機会が多いのです。
その結果、
現実よりも「平均値」が高く見えてしまうのです。
その結果、自分は平均以下だという認識が強くなり、
自信が削られていってしまいます。
さらに、SNSのアルゴリズムは、残酷な面があります。
- 反応が多い投稿
- 派手な成功
- 過激な情報
などが優先的に上位に表示されるようになっています。
これらの情報を見て、自分と比較してしまうと
さらに落ち込みが増幅するようにもなっています。
SNS疲れという言葉がありますが、
自信を削るシステムになっていることも、
この現象を生み出していると言えます。
比較をやめることはできるのか?
そうなると、「比較をやめればいいじゃないか」
という話が生じてきます。
しかし、それは簡単ではありません。
脳のメカニズムからして、比較を完全に避けることは難しいからです。
① 人間は「基準」を必要とする生き物だから
自分の位置を知るために、脳は他者の情報を参照し、確認します。
この能力があるから人間は進化してきたのですが、それと同時に比較を不可避なものとしています。
② 上方比較に強烈な影響力があるため
成功者を見ると、脳は即座に自分と比較をしてしまいます。
しようとしているわけではなく、無意識にやってしまっているのです。
そして、「自分は明らかに劣っている」「自分はできていない」と判断します。
③ ドーパミンによる刺激が強力なため
SNSでの「いいね」や「フォロワー」の数は、
ドーパミンを軽く刺激します。
ドーパミンは、
「期待」と「結果のズレ」に反応します。
SNSはこの仕組みを利用しており、
つい確認したくなる状態を作り出しています。
そのため
- 自分の投稿は「いいね」されているだろうか?
- アカウントのフォロワー数は増えているだろうか?
と、ついついチェックしてしまいます。
④ 承認欲求と所属欲求の結びつきが強力なため
マズローの欲求階層でも説明されるように、
人間には
- 承認されたい
- 所属したい
という強い欲求があります。
そのため自分を他者と比較するということは、
ごく自然なことなのです。
このように比較というのは、人間の生理的な部分と関わっているため
完全に無くすということは簡単ではないのです。
比較そのものが問題なのではありません。
問題なのは、
「比較の使い方」です。
多くの人は、
比較を“評価”に使っています。
しかし、本来比較は、
“改善のための情報”として使うべきものです。
比較をどう扱えばいいのか?
では、自信を壊してしまう比較をどう扱えばいいのか?
ということが問題となります。
結論から述べると
比較が成長には欠かせないし、
人間の脳のメカニズムからして消すことはできない。
そのため
比較が生まれる環境を設計して
比較との距離を最適化することが大切です。
比較は止めるものではありません。
制御するものです。
(1) 比較を設計する
そのためには、まず環境を設計します。
比較が無意識に発生する環境を減らし、
意図的に比較する場面だけを残すのです。
たとえば、
・SNSの通知を切る
・使用時間を決める
・比較を生むアプリを目に入りにくくする
こうすることで、
比較は「自動反応」ではなく「選択行動」になります。
(2) 比較を「データ」として扱う
次に重要なのが、比較との距離です。
比較をそのまま自己評価に使うと、
自信は簡単に崩れます。
他人の結果 = 自分の価値
と結びついてしまうからです。
しかし、比較を
「データ」として扱うと意味が変わります。
・なぜこの人はうまくいったのか?
・どこが違うのか?
・自分に応用できる要素はあるか?
このように、比較を分析に変えることで、
ダメージではなく成長の材料になります。
つまり、最適な距離とは、
比較を「評価」に使わず、
「改善」に使う距離
なのです。
(3) 比較の扱い方が自信を壊すか、成長につなげるかを決める
比較には2つの使い方があります。
① 評価として使う
他人の結果 → 自分の価値
② 分析として使う
他人の結果 → 原因 → 自分への応用
この違いが、
自信を壊すか、成長につながるかを分けています。
まとめ
- 比較は自信を壊す原因ではなく、「使い方」で結果が変わる
- 脳の仕組み上、比較をやめることはできない
- 問題は「比較=自己評価」になっていること
- 比較は「評価」ではなく「分析」に使う
- 環境と認知を設計することで、比較は成長の材料になる
